農地を相続したけど農業をしない場合は?

2026年08月15日

コラム0802

農地を相続したけど農業をしない場合は?放置するリスクや売却・活用方法を解説

 

親や祖父母から農地を相続したものの、「自分は農業をする予定がない」「遠方に住んでいて管理できない」と悩んでいる方は少なくありません。

農地は宅地などの一般的な土地とは異なり、売却や転用に一定の制限があります。そのため、「使わないからすぐに売ろう」と思っても、簡単には進まないケースがあります。

 

一方で、農業をしないからといって、そのまま放置してしまうのもおすすめできません。

今回は、農地を相続したものの農業をしない場合に考えられる選択肢や、放置するリスク、売却時のポイントについて解説します。

農業をしなくても農地は相続できる?

農業をしていない方でも、農地を相続することはできます。

通常、農地を売買や贈与によって取得する場合には、農地法による許可が必要となりますが、相続による農地の取得については農地法第3条の許可は不要です。

 

ただし、相続したからといって何もしなくてよいわけではありません。

相続によって農地を取得した場合には、原則として農地のある市町村の農業委員会への届出が必要です。

 

また、不動産の相続登記についても、2024年4月から義務化されています。

「農業をしないから関係ない」と考えず、相続後に必要となる手続きを確認しておくことが大切です。

 

農地をそのまま放置するとどうなる?

農業をする予定がない場合、「とりあえずそのまま持っておこう」と考える方もいるでしょう。

しかし、農地を長期間放置すると、さまざまな問題につながる可能性があります。

 

・雑草や樹木が伸びてしまう

 

農地を管理せずに放置すると、雑草や樹木が急速に成長することがあります。

特に春から夏にかけては草の成長が早く、定期的な草刈りが必要になることもあります。

雑草が隣地や道路にはみ出したり、害虫が発生したりすると、近隣住民から苦情が入る可能性もあります。

 

・不法投棄される可能性がある

 

管理されていない土地は、ゴミや廃材などを不法投棄されるリスクも高くなります。

一度大量のゴミを捨てられてしまうと、撤去や処分に費用がかかることもあります。

 

・管理費用や税金がかかり続ける

 

農地を利用していなくても、所有している限り固定資産税などの負担が発生します。

さらに草刈りや樹木の伐採、土地の見回りなどを外部へ依頼すれば、管理費用も必要になります。

一つひとつの負担は大きくなくても、10年、20年と所有し続ければ相応の負担になる可能性があります。

 

農業をしない場合の主な選択肢

相続した農地で農業をする予定がない場合、大きく分けて次のような選択肢があります。

 

 

1.農地として売却する

 

まず考えられるのが、農地を農地のまま売却する方法です。

ただし、農地は誰にでも自由に売却できるわけではありません。

 

原則として農地法に基づく許可が必要となるため、一般的な宅地の売買と比べると買い手が限定される傾向があります。

特に農業従事者が少ない地域では、買い手探しに時間がかかることもあります。

 

2.農地として貸す

 

自分では農業をしなくても、地域の農業者などへ貸し出せる可能性があります。

農地を維持しながら有効活用できるため、「今すぐ売却するつもりはないが、自分で管理するのは難しい」という場合には選択肢の一つです。

 

地域によっては農地中間管理機構(農地バンク)などを利用できる場合もあります。

 

3.農地転用して活用・売却する

 

農地を住宅用地や駐車場、資材置場など、農地以外の用途として利用することを**「農地転用」**といいます。

農地転用が可能であれば、農地のままでは売却が難しい土地でも、活用方法や売却先の選択肢が広がる可能性があります。

 

ただし、すべての農地が転用できるわけではありません。

農地の種類や立地、市街化区域・市街化調整区域などの都市計画上の区分、周辺環境などによって、転用の可否や必要な手続きは大きく異なります。

 

そのため、「農地だから売れない」と判断する前に、その土地がどのような土地なのかを調査することが重要です。

市街化調整区域の農地は売れない?

農地のご相談で多いのが、市街化調整区域にある農地です。

市街化調整区域は、市街化を抑制することを目的とした区域であるため、原則として建物の建築や開発に一定の制限があります。

 

そのため

 

「調整区域だから売れない」

「農地だから価値がない」

 

と思われている方も少なくありません。

 

しかし、実際には土地の立地や接道状況、農地の種類、過去の利用状況などによって条件は異なります。

一般的な住宅地と同じようには売却できなくても、土地の条件に合った買い手や活用方法が見つかる可能性はあります。

 

「いつか考える」が一番の問題になることも

相続直後は

 

「とりあえず自分の名義にしておこう」

「時間ができたら考えよう」

「子どもにそのまま相続させればいい」

 

と考えてしまいがちです。

 

しかし、年月が経つほど所有者自身も高齢になり、さらに次の相続が発生すると、権利関係が複雑になる場合があります。

また、その間も草刈りなどの管理や税金の負担は続きます。

 

農地を相続したタイミングは、「この土地を今後どうするのか」を家族で考える良い機会でもあります。

すぐに売却すると決める必要はありません。

 

まずは「売れる土地なのか」「貸せるのか」「転用できるのか」「今後どれくらい管理費用がかかるのか」を整理しておくだけでも、将来の選択肢は大きく変わります。

農地・市街化調整区域の土地もご相談ください

相続した農地について、

 

「農業をする予定がない」

「何年も草刈りだけしている」

「親から引き継いだものの場所すらよく分からない」

「農地だから売れないと言われた」

「市街化調整区域なのでどうしたらいいか分からない」

 

このようなお悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。

 

農地は一般的な宅地とは異なり、農地法や都市計画法などを確認しながら、その土地ごとに売却・活用の可能性を検討する必要があります。

アクシス不動産では、農地・山林・市街化調整区域など、一般的に売却が難しいとされる土地についてもご相談を承っています。

 

「売却するかまだ決めていない」という段階でも問題ありません。

 

農地を相続したものの農業をする予定がなく、今後の管理や活用にお困りの場合は、土地をそのまま放置してしまう前に、一度お気軽にご相談ください。